発表によるとアメリカの東海岸の都市ではクリスマスシーズンだけ街が30%から50%明るくなるようです。人工衛星が観測しました。クリスマスイルミネーションが原因だろうとしています。
※以下の情報は全ての製品や状況に当てはまるものではありません。また感電や火災といった事故につながる可能性があります。必ずご自身の責任のもとご利用ください。
(トップ画像
pixabay)
■ 今回、話題にするイルミネーション
今回は
LEDタイプのイルミネーションについて説明します。

このような製品です。コントローラから伸びた電線にLED電球がつながっています。
説明を簡単にするためLED電球は4球のみとしました。
従来からある電球タイプのイルミネーションは回路が異なるため今回の説明は当てはまりません。
■ イルミネーションの構造は?
上のイメージをもう少し
電気の流れが見えるように描き直しました。
コントローラからの電流は
グループA線、
LEDラインと流れ
共通線を通り
コントローラへ戻ります。赤い矢印のイメージです。
抵抗は
LEDライン一本に一個、取り付けられます。場所は製品によってまちまち。
LEDラインが一本しかなく連結もできない製品はコントローラに内蔵されていることがあります。
さて、図をよくご覧ください。大切なのは
「電流は必ずループ状に流れる」ということです。
■ ループが途切れると……
『ループが途切れる』とは
コントローラから出た電流が
何らかの原因によって
コントローラへ帰らないことを意味します。

例えばループ上にあるLED電球のどれか一つにトラブルが起こったとします。この場合、このラインにある全てのLED電球が点灯しません。
■ トラブルが多い場所1、コントローラ
では実際に問題箇所を特定しましょう。
起点のコントローラです。まず真っ先に確認したいのは「電気は供給されているのか?」です。つまり「コンセントに挿してありますか?」です。
意外な気もしますが結構あるトラブルです。普段はあまり抜き差しをしない場所。つい「挿したはず」となりがちです。また実際にコンセントへつながっていても
* ブレーカーが落ちている
* 暗くなったら自動的に作動するセンサが反応していない
* 自動OFFタイマの設定ミス
などがあります。
次いで確認するのはコントローラの中です。無理に開けると破損の原因になりますのでご注意ください。また防滴、防水のコントローラはシールと呼ばれる加工が施されています。シールに傷をつけてしまうと防水、防滴の効果がなくなります。
無事、開けることができましたか? 中をじっくり観察してください。電子部品や電子部品を取り付ける基板に白いシミがありませんか?
これはコントローラ内に水が入った事を表します。
サイリスタなどの電子部品の足をよく見てください。(サイリスタの写真:
RSコンポーネンツ])
様々な形がありますが電子部品はプラスチック製の本体に金属の足といった形状です。水が入ったことで
足の部分が腐食しトラブルにつながります。交換が必要でしょう。
防滴をうたった製品でも
* 雨水を完全にシャットアウト出来るわけではない
* 長期間風雨にさらすことで劣化した
* そもそも粗悪品だった
ということもあります。やはりコントローラは電源ボックスに入れたりビニールを被せるといった工夫が必要です。
■ トラブルが多い場所2、LEDの足
丁寧に使用しても数年でいくつかの電球は故障するでしょう。
1球1球、丁寧に見ていきます。よくあるのはLED電球が茶色っぽく変色しているケース。LED電球が破損している可能性があります。
他にもLED電球の足が腐食していることがよくあります。これはLED電球を覆う被覆をはがさないと確認できません。

金属でできた2本の足があり電線が取り取り付けられています。この部分をチェックして腐食や破断がないか確認してください。
■ 問題箇所が特定できたら
運良く問題箇所が特定できたら応急処置に入ります。

電流のループを復元すれば良いことになります。故障しているLED電球を取り除き図のようにショートしてください。これでそのラインのLED電球が復旧します。
ただし、この方法で対処できるのは1本の
LEDラインで1、2個程度でしょう。全部のLED電球が点灯した時に最良の状態になるように設計されています。設計値より少ない数のLED電球での使用は全体の寿命を縮めます。
LED電球は似た形状であれば他のものと交換できます。(抵抗器の基礎知識
ROHM)極性があるので単純ではありません。自信のある方はお試しください。
ここで注意が必要なのはLED電球に
抵抗が取り付けられているケースです。
LEDラインの最初、もしくは最後のLED電球の足へ直接、半田付けされていることが多いようです。この
抵抗は
絶対に取り外さないでください。必ず電流ループの中に残すようにします。
■ おわりに
上の説明はあくまでも応急手当です。正確に問題箇所を特定するためにはコントローラ側から順次テスターを使って電圧を調べていきます。すでに飾りつけられたイルミネーションでは難しい作業です。またせっかく問題箇所が判明しても安価な製品は補修部品が手に入りません。
新規購入を機にお使いのものを廃棄することを考えている方。補修部品として利用できるパーツがあるかも知れません。数年間、保管するのが良いでしょう。
最後に繰り返しになりますがこの記事の内容は感電や火災などの事故につながる場合があります。自信がない方は業者へ依頼してください。